星の途絶えた夜

メインストーリー

9週目の健診、私は仕事が忙しく、同行できない中、
妻が一人で病院に向かった。

ワクワクと不安が入り混じった気持ちで仕事に励んでいた。

とにかく赤ちゃんの成長が楽しみで自然と笑顔が溢れてくる

仕事も今まで以上にやる気が出て明るい未来を夢みていた。
妻からの連絡が待ち遠しい。

昼過ぎ、妻からの電話が鳴り響いた。普段なら嬉しさで胸が高鳴る瞬間だが
電話に出た途端、いつもと違う嫌な予感が私の心を襲った。

私「ご苦労様、赤ちゃんどうだった?」

妻「・・・」

私「あれ?聞こえてる??」

妻「あ・・ん・・・・め・・・・・・った」

私「ん?ちょっと聞き取れないんだけど!」

妻「赤ちゃんね、ダメだった…(泣きながら)

その一言が、まるで静けさを切り裂くように私の耳に届いた。前回の検診で確認できた小さな心臓の鼓動が、今回は確認できなかった。

会話が途切れる間、私は立ちつくすような気持ちで何も言葉が出てこなかった。
一瞬、時間が止まったかのようだった。そして、妻が小さなため息と共に語りかけてきた。「これで終わりなんだね…」

言葉に詰まりながらも、私は妻の気持ちを察することができた。彼女も同じく、この小さな存在を待ち望んでいた。毎晩のお腹に手を当て、幸せそうな微笑みで話しかけていた。しかし、この日、私たちの手には何も残らなかった。

仕事を早めに切り上げ、妻の待つ家に帰る。

なんて言葉をかけようか、どんな言葉をかければいいのか悩みながら
玄関の扉をあける

私「ただいま」

妻「・・・・・おかえり」

妻は料理をしながらそう答えた。

目元が赤くはれている、ひとりでたくさん泣いたのであろう・・・

やばい・・・

その姿を見ただけで私も涙が溢れてくる。

私「ちょっとタバコ買ってくるね。」

と言い、車に戻りひとりで泣いた。

赤ちゃんを失った悲しみ、妻の計り知れない心の痛み、
何か体の一部が無くなったかのような感覚
こんなに泣いたのは初めてかもしれない。

少し時間がたち、心落ち着かせ部屋に戻る。

妻が作ってくれた夕食を食べながらいつもと変わらない会話

なかなか本題に切り出せない中

妻「今度処置しに行かなきゃならないんだ」

と切り出した。

その後、たくさんの事を話し合い、お互いの気持ちを伝え合い二人で涙を流した。

時間もたち布団に入るが、まったく眠れない。

スマホを手に

・心拍確認後流産
・心拍再開
・流産の原因
・初期流産etc.

思い浮かぶキーワードを検索しまくった。
夜が更けるにつれ、調べれば調べるほど未来への不安が広がり、心の中には深い闇が訪れ絶望感が押し寄せてくる。

後日、処置を行うために病院へ

その後は医師からの説明と冷静な対応、処置がなされた。

心から愛した小さな星が、
私たちの手から離れていった瞬間だった。

ベルタルイボスティー
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